食品交換表が変わりました(第6版)
2002.6.13 「糖尿病食を制する人が糖尿病を制す」とか「糖尿病の真の治療は理性をもって食べるようにする薬を見つけること」などのいわれがあり、いかに正しい食事を続けることのむづかしいかを語っています。糖尿病専門医として35年経っても患者さんの診察の時には、履病歴何十年経っている患者さんでも問診には食事療法の話は欠かせません。 糖尿病の食事については日本全国の患者さんが「食品交換表」にもとずいて食事をとっています。この食品交換表は昭和40年に発行され、その後5回改訂されています。平成12年に食品全般の成分と栄養価を見直す調査が科学技術庁資源調査会で行われ、「五訂食品標準成分表」の出たことは前回お話しました。 時代が変わり食品の成分が変わったことと、交換表の姉妹本となる「糖尿病腎症の食品交換表」とのつながりを分かりやすくするために改訂されました。そこで今回の改訂本でどこが変わったかについて主なことをお話しします。これまでの本で指導を受けられた方は改めて改訂本を求め確かめることをお勧めします。(定価900円) 理由はまだ明かにされていませんが、牛乳中の栄養価が上がったこと、炭水化物は庶糖として取らないこと、ごはんの炭水化物含有量の多いことが考えられます。これまでの牛乳200ccは1.4単位(112カロリー)ですが、今回は180cc1.5単位(120カロリー)になっています。その他には牛肉、豚肉の1単位重量が減っています。辛党の方に辛い話しとしてお酒1単位75グラムが70グラムに変わりました。1単位グラム数の増えた主なものは次の通りです。
その他の改訂としては、塩分、コレステロール、食物線維の含有量がさらに細かく書かれていることです。患者さんは新しい食品交換表をどのように利用していくかは管理栄養士に尋ねることですが、この本を良く見るとグラム数のひと桁が0か5になっています。
食品1単位(80カロリー)はグラム数の区切りよくできているわけではありませんから、編集された先生方の分かりやすくした親心がでているような気がします。
是非表1から表6までの食品のうちよく口にするものを5品目を選んで、そのグラム数を覚えてください。そしてその重量を目はかり、手はかり、勘はかりを養って正確に計れるように慣れてください。
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