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上手な通院のしかた

14.5.20



  
    糖尿病は治る病気ではありませんが、自分の身体と生活習慣を上手に管理すると一般の人と変わらず、むしろより健康で長生きすることができます。しかし糖尿病は血糖値が高くても症状のでないことが良いことでもあり、都合の悪いことでもあります。血糖コントロールが悪くなった時は、それが何に原因するのかを正しくとらえねばなりません。そのためには最近の身体の変化、生活習慣の変化、精神面の変化、身体活動の変化について医師、看護師などが充分に聞き取りをしなければなりません。それに併せて諸検査でチェックする必要があります。「糖尿病は検査の病気」と昔から言われているように、診察だけでは糖尿病の全容をつかめないといっても言い過ぎではありません。
  

  数年前に当時の厚生省の「患者から医師への質問内容、方法に関する研究」の研究班がまとめた「医者にかかる10箇条」があるのでご紹介します。これに併せて当院医師がお勧めする受診のコツをお話しします。

1 伝えたいことはメモして準備  

 ・受診までに質問を1つ必ず考 えておく

2 対話の始まりは挨拶から 

 ・最近の生活ぶりをできるだけ 話す


3 より良い関係づくりはあなたにも責任     

 ・身体の変化や気がついたこと があれば話す、診せる


4 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報  

 ・検査数値の分からないものは できるだけ質問


5 これからの見通しを聞きましょう      

 ・現在と、将来の糖尿病の実情 を聞いておく

6 その後の変化を伝える努力も        

 ・糖尿病治療の4本柱について 積極的に相談する


7 大事なことはメモをとって確認       

 ・薬物治療は病状に応じて積極 的にとりいれる

8 納得できないときは何度も質問        

 ・民間薬、漢方薬、健康食品の 使用適応を聞いておく


9 治療効果をあげるためにお互いに理解が必要 

 ・血圧測定や内診のしやすいよ うに受診前に用意

10 良く相談して治療方法を決めましょう    

 ・受診時の検査値はメモしてお く
                         

最後は「有難うございます」、 「お大事にしてください」

で終りましょう

 




  受診回数は患者さんの病状次第ですが、ヘモグロビンA1cがいつも6.5%以下で安定していると1、2ヶ月毎、7.0%以下で安定していると1ヶ月毎、7.1%以上で変動する方は2週間毎が好ましいです。また、外来でインスリン注射を始める時は週2回くらいで受診してもらいます。

  次に受診時の検査について述べますが、定期的検査と、その時の病状を調べる検査のふたとおりがあります。受診毎にいつも調べるものは血糖値、検尿、体重、血圧測定です。1ヶ月毎ではヘモグロビンA1cまたはグリコアルブミン。3、4ヶ月毎の検査は肝機能、腎機能、尿中アルブミン。6ヶ月毎には眼底検査、内頸動脈硬化超音波、検血。1年毎では心電図、胸部写真、腹部超音波、サーモグラフィー、検便があります。健常者でも老化に伴い癌をはじめ他疾患を併発することはよくあります。身体の変化に気づいた時はできるだけ早くに検査を受ける習慣をもって下さい。糖尿病をはじめいずれの病気でも早期発見、早期治療により健やかな生活をおくることができます。


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