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苦労して作った、易しくて難しい質問30問

2004.9.4

 毎月半ば、外来と入院患者さんを対象として「糖尿病教室」を開いています。日頃患者さんが知りたがっていること、外来受診時に聞けなかったことや自分の病状が良く分からない人のための説明会です。糖尿病教室に参加した人がどのくらい知識をもったか、応用力をつけたかを5、6、7月にかけてアンケートをとりました。その結果を見て教室でお話する講師(医師、看護師、薬剤師、栄養士、運動トレーナー)は患者さんの説明をいかに上手に、効果的にやるかを再検討しています。この糖尿病教室アンケートは10月の糖尿病学会と来年2月の学会に発表する予定でおります。アンケートを書いて下さった患者さんにはこの場でお礼を申し上げます。

 題名にある質問30問は糖尿病教室に参加した患者さんと参加しない外来患者さんに答えてもらいました。その正解者数(%)を質問の終わりに書いています。初めの数字は糖尿病教室参加者、次の数字は教室に参加していない外来患者さんの正解者%です。易しい問題と難しい問題が混じっています。恐らく満点はとれないと思いますので、分からない所は糖尿病教室で勉強してみて下さい。解答は次回にお知らせします。

 糖尿病教室では糖尿病について分かりやすく、楽しく勉強できるように工夫して行われています。一度も参加したことのない人は「百聞は一見に如かず」是非一度参加してみて下さい。きっと来月のヘモグロビンA1cは○○%低下しているでしょう。

※数値は正解率(%)

問       題

受講者 非受講者
Q1 家族の中で尿糖を認めたら糖尿病と診断してよい 78.6 60.6
Q2 糖尿病は膵臓のβ細胞の働きが悪いこと、インスリンの効きが悪いことによる 93.3 79.4
Q3 糖尿病の治療で最も大切なことは糖尿病をよく知ること 100.0 97.1
Q4 インスリン治療をする人は糖尿病が重いからです 38..9 50.0
Q5 ヘモグロビンA1C5.6%以下になったら合併症はもうこない 47.1 82.4
Q6  眼、腎、神経の障害は糖尿病の初期の合併症である 77.8 42.4
Q7 網膜症が重症になると視力が落ちてくる 15.8 14.7
Q8  高血糖と網膜症の症状とは関係がない 80.0 76.5
Q9 血糖降下剤はインスリンの一種です 60.0 48.5
Q10 血糖降下剤を飲み忘れたら、その日のうちに服用した方がよい 71.4 55.9
Q11 ヘモグロビンA1は2〜3日前の血糖の平均値なので受診前にしっかり食事療法をすればよい 94.1 90.9
Q12 尿中微量アルブミン検査は尿タンパク検査よりも早期の軽い腎症の発見ができる 47.1 61.8
Q13 運動療法はインスリン分泌を促します 16.7 24.2
Q14 インスリンや飲み薬で治療する人は低血糖だけを注意する 33.3 75.8
Q15 歯磨きは間食、特に甘いものを食べた時だけ十分にするとよい 80.0 97.1
Q16 水虫や足うらのひびわれは足を不潔にしているためです 33.3 35.3
Q17 低血糖が起こると血糖コントロールが悪いといいます 47.1 27.3
Q18 海外旅行の時はインスリン注射を飲み薬に変える 100.0 75.8
Q19 自己血糖測定は合併症の発病と進行防止ができる 92.9 55.9
Q20 糖尿病患者さんの血糖値はみんな110mg/dl、食後2時間120mg/dl以下であること 92.9 72.7
Q21 指示単位内であれば朝昼夕食の配分は自由でよい 61.6 76.5
Q22 みりんや酢はカロリー制限がない 83.3 73.5
Q23 指示単位内であれば一日2食でもよい 100.0 96.9
Q24 米飯を減らせば魚、肉を多めに食べてもよい 94.4 91.2
Q25 砂糖は悪いが蜂蜜ならよい 94.4 91.2
Q26 体に良いからオリーブ油は多めに摂ってもよい 94.4 85.3
Q27 アルコールを摂ったときは表1を少なくする 61.1 60.6
Q28 ポカリスエットは飲んでもよい 88.9 70.6
Q29 外食で足りない物は野菜と果物 5.9 32.4
Q30 中華料理は野菜が多いので安心して食べられる 100.0 76.5