混合インスリン (25mix,30mix,50mix,70mix)とは 2010.5.19 インスリン製剤の種類はインスリン作用が@長く効くものA短かく効くものBその両方を混ぜたものの3つに分かれています。 最後のB混ぜ合わせたものを総称して混合インスリンと言っています。@長く効くものは急速に血糖降下を起こす作用は弱くA短かく効くものは血糖の急速低下作用があります。 ここでは最近発売された混合インスリンについて説明します。 1)30mix,50mix,70mixの組成 この混合製剤シリーズは3種類あります。30,50,70はそれぞれA短く効く超速効型インスリンが30%,50%,70%含まれていることを意味します。その他の成分70%,50%,30%は@長く効くもの(プロタミン結晶性インスリン)が混ぜてあります。 本来インスリンはアミノ酸分子が連なって6量体という安定した形で存在しています。皮下に注射すると6量体→4量体→単量体と分解して血液中に入ります。超速効型インスリンは6量体が素早く分解されるアミノ酸配列に加工し早く効くようにしたものです。中間型インスリンとは、純度の高い結晶性インスリンに蛋白のプロタミンを加えたもので効き目を長くしています。 2)薬物動態 25mix,30mix,50mix,70mix注射は皮下注射すると10〜20分で効き始め、最も血中濃度が高くなるのに1〜4時間かかります。持続時間は0.5〜6時間です。速攻型インスリンの混合比率が多いほど(70mix)食後の血糖降下作用が大きく、中間型インスリンの割合が多いほど(30mix,25mix)急速の血糖降下作用は少なく作用時間が長くなります。 3)臨床成績 50mixは30,25mixより食後高血糖を下げる効果が強く、持続性が短いため夜間低血糖が少なくなります。従ってこれまで30mix又は25mixを50mixに換えると食後高血糖は下がりますが、空腹時血糖が高くなるかもしれません。患者さんの症状を診て医師は判断すると思います。 70mixは基本的に1日3回注射で治療します。これは速効型インスリンとの比較になります。速効型インスリンに比べ30%だけ中間型が入っており、次の食前血糖も下げる効果のあるところが速効型と異なります。 4)適応上の注意 混合製剤は作用時間と作用効果の現れる時間の異なる2種類のインスリン成分が含まれているため、十分に手のひらで転がすか、ゆっくり振って攪拌させないといけません。 不十分ですと片方の薬だけの効果がみられ、低血糖が起こったり高血糖が予想通りに下がらないことが起こります。
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