新しいHbA1c値へ改定
HbA1cは1971年に発見され、これまで30年間世界中の糖尿病診療において基本的検査(ゴールドスタンダード)として用いられてきました。 日本では1993年にHbA1c値を全国統一しようと「グリコヘモグロビン標準化に関する委員会」が発足し、標準検体が全国で測定して同一数値になるように測定機器が調整されました。これと同じことが世界中でも問題となり国際的に標準化することになりました。世界各国の糖尿病をそれぞれの国独自の測定法で異なる数値で発表されては各国間の糖尿病を比較できません。日本は2007年にHbA1cに関連のある学会が集まって「HbA1cの国際的標準化に関する検討委員会」が立ち上げられました。そこで日本糖尿病学会は平成24年4月1日からこれまでのHbA1c既存値(JDS値)を国際標準値(NGSP値)に切り替えることを決定しました。 これによりますと、変更方法はいたって簡単で既存値に0.4を加えることで済みます。従って既存値7.0%、6.5%、6.1%はそれぞれ7.4、6.9、6.5%となります。この改定は物差しが変わっただけで、これまで6.5%を目標に療養してきた人は、4月から6.9%を達成し維持していくとよろしいです。 以前から海外の研究論文をみてHbA1c値は7.0%を目標にして研究されており、患者の療養でも7.0%以下にすることを奨励されているのをみて目標値がゆるいなと感じていました。日本では20011年7月から研究論文、学会発表のHbA1c値は改訂値(既存値+0.4)が用いられており、この4月から一般診療でも改訂値を用いることになります。 従って「血糖コントロールの指標と評価」は次のようになります。
糖尿病の診断は6.5%以上で「糖尿病型」となります。また特定健診、保健指導は平成25年3月末までは既存値のままということです。 |