糖尿病患者は癌になり易いか このテーマの解説は1,2年毎に掲示板に掲載し癌検診を受けることを啓蒙しています。 糖尿病患者さんは療養生活や血糖値のことで頭が一杯なのか、癌になり易いということはあまり意識していないように見受けます。昨年も多くの方が癌になりました。癌は老化現象のひとつです。どこかの細胞が老化したときに癌細胞に変わるといわれています。日本国民の3人に一人が癌になり、死因第一が癌となっています。さらに糖尿病の人は非糖尿病の人と比べ2,3倍の癌罹病率であるといわれています。 はじめに糖尿病はなぜ癌を併発しやすいのか、これまでに考えられている考え方を述べます。 つぎにどの癌が最も起こりやすいか、正常人を1としたときの倍率で男と女を比較しています。 1.
国立がん研究センター 津金昌一郎 先生の報告 男
1.27倍(内訳 肝癌
2.24倍、腎臓
1.92、膵臓
1.88、大腸 1.36、前立腺
0.82) 女
1.21倍(内訳 卵巣癌
2.42倍、肝臓
1.94,子宮1.68、胃
1.61、膵臓
1.33) 2.
文部科学省の報告 男(内訳 肝癌 2.3倍、胃
0.68) 女(内訳 肝癌 2.7倍、胃
0.47) 3.
欧米の報告 男
1.52倍(男女平均 肝癌
2.5倍、子宮
2.1、大腸
1.3、乳房
1.2、前立腺
0.84) 女
1.62倍 最後に、最近話題になっている抗癌作用をもつといわれる糖尿病治療薬についてお話します。 その理由はおそらく欧米の糖尿病治療は最初にメトホルミンを使い、一人当たりの投与薬剤量は メトホルミンの癌に対する効能効果を探る基礎実験(動物実験も含め)の乏しいことが定説とされない根拠かもしれません。おそらくメトホルミンの血糖降下作用であるインスリン抵抗性と肝臓のブドウ糖放出を抑えることが抗癌作用であるかもしれません。 |