心臓カテーテル検査(冠動脈造影検査)について
2014.2.3 心臓の筋肉には血液を運ぶ血管(冠動脈)が広がっています。そこに動脈硬化などの障害が起きると心筋に血液が流れにくい状態(虚血といいます)となり、狭心症や心筋梗塞(合わせて虚血性心疾患といいます)を発症します。これらの病気が疑われるとまず心電図検査を行います。通常、心筋梗塞では心電図に異常が現れますが、狭心症では発作のとき以外は異常は出ないのでトレッドミル検査などの運動負荷検査が必要となります。更に心臓の働きをみるために心エコー、心筋シンチ、冠動脈の形態(狭窄の有無)を調べるために冠動脈CTなどの検査を行います。以上の検査から虚血性心疾患が疑われるときには、最終診断、治療方針の決定のために心臓カテーテル検査が必要となります。この検査では冠動脈を画像として映し出すことで血流の状態が明確になり、どこに狭窄があるのかが正確にわかります。
実際の検査方法は、検査台に寝た状態で足の付け根(そけい部)または、肘や手首などの動脈に局所麻酔をして、細い針を刺して血管を確保し、そこからカテーテルという細い管を体内に挿入します。カテーテルは動脈内をつたって心臓まで届きます。そこで冠動脈の入り口にカテーテルを挿入し、造影剤を注入すると冠動脈内だけに造影剤が流れ込み、それをX線で撮影しながら冠動脈の状態を評価します。検査中は仰向けになって検査台に寝ているだけであり、通常局所麻酔が効いてしまえば痛みを感じることもほとんどなく、意識のある状態(会話のできる状態)で検査は行われます。検査の所要時間は内容にもよりますが30分から1時間程度で終了します。検査後は、カテーテル挿入が足からであれば4〜6時間は仰向けの状態で安静が必要となりますが、手首からの挿入であれば座ることも可能であり安静時間も短くて済みます。検査の合併症としては、出血、感染、心臓や血管系の損傷、不整脈、脳梗塞などの塞栓症が挙げられますが、最近は技術や医療機器の進歩もあり、ほとんどのものは単純な処置で治り重大な合併症は大幅に減少しています。
虚血性心疾患の治療法には、大きく分けて@内服薬のみ Aカテーテルによるステント治療 B外科的バイパス手術 の3通りの方法がありますが、カテーテル検査の結果をみて適した治療を考えることとなります。
糖尿病患者さんには虚血性心疾患の合併が多くみられます。心臓カテーテル検査は決して大がかりな検査ではありません。むしろ心臓病を検査せず放置するほうが危険と考えて下さい。
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糖尿病講演会のお知らせ 日本糖尿病学会では毎年「糖尿病学の進歩」の名称で全国の医師や患者に対する糖尿病の教育と啓蒙の講演会を開催しています。 全国を7ブロックに分け、各地区毎に順次この講演会を開いており、今年は北海道となっています(3月7日、8日)。医師向け講演会に併せて市民への公開講座もあり、全国の著名な医師が次のようなテーマでお話をすることとなっています。7年ぶりの市民講座であり、最新の話題が聞かれる良い機会ですから是非皆様ご参加ください。
講演内容 1. 糖尿病はどのような病気か 鹿児島大学教授 西尾善彦先生 2. 食事と糖尿病の関係 女子栄養大学教授 本田佳子先生 3. 糖尿病の最新の薬物療法 青森県立中央病院 小川吉司先生 4. 糖尿病の診断と治療における将来の展望 京都大学講師 長嶋一昭先生 日時:3月9日(日)13時〜15時 場所:道新ホール(大通西3丁目、道新ビル8階) 参加費:無料 申し込み方法: @ 郵便番号 A住所 B電話番号 C氏名 D年齢 E職業 これらを記載してハガキ、FAX、E-メールでお申しこみ下さい。後日聴講券が郵送されます。 応募先 〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-11-12 F&Wビル3F 株式会社 ウイアライブコンベンション 事業部内 「第48回糖尿病学の進歩市民公開講座」宛 TEL 03-3552-4170、 FAX 03-3552-4178, Eメール 申込み締め切り 2014年2月20日(木)
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