新しい検査器械が入りました 〜光干渉断層撮影(OCT)〜 2015.11.6
この度、新しい検査器械を導入いたしました。それは眼の中に、ある特殊な光を当てて、その反射光が戻ってくるスピード・時間を正確に測ることによって眼の断層写真(断面の写真)を撮ることができる器械です。この器械はCTによるX線被爆などの副作用の心配なくおこなうことができます。それによって何がわかるかというと、眼の奥の膜の断面を見ることが出来るようになりました。 例えば、糖尿病網膜症になり悪化すると視力が悪くなりますが、どの部分がどれくらい悪くなっているかがわかります。一番多くは黄斑部といわれる物を見る中心部の下に水ぶくれが出来てしまうことにより腫れてしまう事(黄斑浮腫)が原因ですが、それを視力が落ちる前に発見できます。それで、いち早くその黄斑浮腫の手前状態を発見することによって、例えば糖尿病(血糖値)の改善を皆さんに促すことが出来るのです。また、状況によっては造影検査等もっと詳しい検査を行い、とことん悪くなる前にレーザー光線の治療を受けてもらったり眼に注射をする治療を受けてもらうことが出来ます。この早期発見・早期治療と言うのが非常に重要ですが、それが可能になってきたということです。 またさらに、視神経の周囲・断面を見ることもできます。これによって緑内障の発症・進行具合を見ることができるようになりました。緑内障は、視神経が弱って傷んでいく病気ですが、この病気も早期発見・早期治療が非常に重要な病気の一つです。これもOCTで断面をみることによって神経の厚みを測り、緑内障らしければ、あるいは緑内障が進行している傾向がみられたら、視野検査をして次の治療(目薬を始める・追加する等)に移ることが出来ます。その他の病気として、加齢黄斑変性症や黄斑円孔・偽黄斑円孔には絶大な威力を発揮します。 最近の画像診断は3D画像(立体画像)が主流になりつつあります。立体画像を見るとより中間の病像、さらに奥の病像がわかるし、また凹凸がわかりやすくなります。今回のこの器械の導入により当院でもより早期発見・早期治療に進めることができるようになりました。私達もより多くの情報をお伝えしようと思います。
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