「糖尿病と癌」最新の話題
2015.7.10 一般の人々と比べ糖尿病患者さんはどうして癌になり易いのでしょうか。ある報告では65歳以上の一般の人は3人に一人が、糖尿病では2人に一人が糖尿病になるといわれています。毎年皆さんに警告を発していますが今年も糖尿病と癌の関係についてお話します。 まず、第一に糖尿病と癌は生活習慣のやり方で発病します。つまり肥満、喫煙、運動不足、食事のとり方(脂肪食、低食物線維、塩分、飲酒)が基本的原因となっています。これらに加えて糖尿病では高血糖、インスリン抵抗性がありこの2つが癌の発病をさらに拍車をかけています。高血糖値の頻度が高いほど、高インスリン抵抗性で癌になり易いといわれています。 つぎに、糖尿病患者さんが特になりやすい癌があるかについて調べました。この問題については何度かここの掲示板に書いており、記憶されていると思いますが大事なことなので繰り返します。 そのほかに癌を見逃さないためには、次の病状になったときには癌を意識してください。実はこの記事は医師向けの注意事項になっているものです。 @
説明のつかないヘモグロビンA1cの増大、高血糖の頻発、体重減少が見られるときです。 安易に薬剤を増量するのではなく、まず癌検診です。 A
糖尿病を始めて診断された時も要注意。膵臓癌を発病して糖尿病とだけ診断されることがあります。つまり糖尿病発症の1から3年前以内に膵臓癌が発病しています。 B
貧血が進行している時 ヘモグロビンA1cが理由なくて低下していくことがあります。これは貧血によることがあります。貧血は大腸癌、胃癌の時の前兆です。 アメリカでは2010年に米国糖尿病学会と米国癌学会が合同して糖尿病と癌の関係を調べることとしました。2013年に日本糖尿病学会も癌学会と共同研究や調査をすることになりました。 もう一つの問題はインスリンも含め、糖尿病薬剤が癌と関係していないかということです。薬剤と癌の関係は人では明らかに証明されていません。しかし動物実験では癌を引き起こすこともあり、この点について癌学会との共同研究による見解が示されるものと思われます。
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