コンビニを利用した高齢者の食事
2020.4.23
管理栄養士 大島理香子
65歳以上が高齢者とされていますが、高齢の糖尿病患者さんの目的は、合併症の予防だけでなく、身体機能を維持することです。そのためには、バランスのよい食事を心がけ、十分なエネルギ−と蛋白質を摂ることが大切ですが、特に1人暮らしの場合、買い物や調理自体が億劫になったり、又、食事の量が少ないだけでなく、内容にも偏りが激しかったりと必要な栄養が足りていないこともあります。
そこで今回は、コンビニの調理済み食品を上手に利用する方法をご紹介します。
1.1食あたりのエネルギ−量を確認する
筋肉量を減らさないためには、十分なエネルギ−量が必要です。栄養成分が表示されていますので、1日のエネルギ−量の1/3(450〜700Kcal)を目安にしましょう。
2.栄養のバランスを整える
高齢者は、若い人と比べて筋肉の合成効率が悪いため、より多くの良質な蛋白質が必要です。さらに、良好な血糖コントロ−ルを維持するためには、栄養のバランスも大切なので、主食(表1)+主菜(表3)+副菜(表6)をイメ−ジしながら組み合わせるようにしましょう。
コンビニで売っているおもな商品を主食(表1)、主菜(表3)、副菜(表6)に分けると次のようになります。
【主食】血糖値を上げる炭水化物が多い主食は適量にしましょう。
・おにぎり…1ケの米飯量は100gで雑穀入りのものもあります。大きいもので170g(お茶碗1膳強)です
・パックごはん…1パックあたり150〜200gでもち麦など雑穀入りのものもあります
・サンドイッチ…1袋あたりのパンの量は8枚切1枚〜6枚切1枚と同じです
・バタ−ロ−ル…1ケあたり90Kcal前後ですので、3ケで米飯1膳分です
・うどん、そば…麺の量は、丼ぶりご飯の量と同じです
【主菜】良質な蛋白質食品ですので毎食1品は摂りましょう。
・そのまま食べられるもの…魚の缶詰(1食当り1/2缶)、サラダチキン、納豆、豆腐など
・レトルトなどあたためて食べるもの…焼き魚、煮魚、ハンバ−グ、厚焼き卵など
【副菜】食後の血糖上昇をゆるやかにするため、野菜やきのこ、海藻類を摂りましょう。
野菜サラダ、金平ごぼう、ひじきの煮物、切干大根煮物、ゴマ和え、めかぶなど
【主食+主菜+副菜が入ったお弁当】幕の内弁当は、おかずが色々入っているのがメリットです。米飯は200〜250g入っているものが多いので、少し残しましょう。又、漬物を残したり、付いているソ−スや醤油を使わずに残すことで、食塩を減らすことが出来ます。ただし、野菜は不十分なので、サラダなどの野菜をつけることをおすすめします。
3.なるべく避けたいこと
・カップ麺+おにぎり
どちらも炭水化物(表1)です。どちらか1つにし、卵やシ−チキンなどが入ったサラダやおでんなどをつけ加えましょう。
・メロンパンやあんぱん
菓子パンは、砂糖が沢山入っていますのでサンドイッチや惣菜パンに替えましょう。
・米飯+コロッケ
コロッケは、芋やカボチャなので炭水化物(表1)です。納豆や卵など表3の仲間に替えましょう。
4.簡単に出来る組み合わせ例
【朝食】
・パックごはん+みそ汁+納豆+金平ごぼう
・サンドイッチ+野菜サラダ+牛乳や豆乳
・おにぎり+厚焼卵+切干大根
【昼食】
・バタ−ロ−ル+サラダチキン+野菜サラダ
・うどん、そば類+卵豆腐+野菜サラダ
【夕食】
・パックごはん+焼き魚+ひじきの煮物+お浸し
・パックごはん+レトルトカレ−+野菜サラダ
最後に1日3回、バランスよく食べることで、糖尿病があっても健康寿命を延ばしましょう。
|