お知らせ
今月の掲示板 糖尿病学会に参加してきました 2026.6
日本糖尿病学会報告
1年に1回開催される日本糖尿病学会年次学術集会が5月に大阪で開催されました。コロナ禍以降一部の講演をオンラインで聴講できるようになったので、今年はオンラインにて参加しましたので皆様にお伝えします。
糖尿病学会では新しい薬の治療成績や治療ガイドライン(=治療指針)、糖尿病にまつわる様々な研究結果が報告されます。数年前までは最新の治療薬で血糖がこのくらい改善した等治療効果の報告例が多かったのですが、最近は合併症を進行させないように先を見据えて糖尿病治療を考える、また医学の進歩により今まで治療困難であった病気が治療可能となることで癌を含めた他の病気を持つ糖尿病患者さんが増えてきておりそのような方にどのような薬を使うべきか等個別に治療を決定していく風潮を感じました。
多くの教育講演で話題になっていた薬がGLp-1受容体作動薬(オゼンピック.マンジャロ)です。テレビやSNS等ではダイエットの薬と報道されていますが、本来は血糖改善薬でありその他にも心臓や腎臓を守る効果が多くの研究で報告されています。また、SGLT2阻害薬(フォシーガ.ジャディアンス)も心臓や腎臓を守る薬として多くの研究結果の報告がありました。その中で、糖尿病を持つ人の動脈硬化の特徴ということで興味深い講演があり紹介いたします。
高血圧や脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い)でも動脈硬化は進行しますが、糖尿病を持つ人の動脈硬化との違いはなんでしょう。
動脈硬化は以下の3つが原因となっています
①血管の中に脂肪の塊(プラーク)がついて血管が詰まる
②血管が土管のように固くなる
③血液が一部固まって血栓(血液の塊)ができる。
脂質異常症や高血圧では主に①が起こりますが、糖尿病では①ー③が起こります。③につい血糖を短期間(10日間)でも改善すると血栓できやすい状態は改善する一方、低血糖が起こると③ができやすい状態となると報告されていました。
当院ではABI(足血管の詰まりを調べる)検査や頸動脈エコー検査を行い動脈硬化の早期発見に努めています。
心臓や腎臓、脳は動脈硬化の影響を受けやすい臓器です。
そのため血管を守ることは将来の健康を守ることに繋がります。今日からできることは特別なことではありません。これから地元野菜がスーパーに並びます。今より少し野菜を増やそう。運動も食後にまとまった時間しっかり運動するのではなくても、食後すぐソファーでゆっくりしないで家事やちょっとした室内運動をしてその後ゆっくりしたらどうでしょう。
小さな生活の変化が食後の高血糖スパイクを予防し、その積み重ねが血管の老化を防いでくれます。
文責 坂井恵子